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歯の根の先に病巣があります。

2023.01.26
姫路市今宿の歯科医院 ひめじオリビエ歯科クリニックの松本です。

歯の神経の再治療を行いました。
上顎の前歯を一度は神経を抜く処置を行なったとのことですが、隙間から細菌が入り根の先に膿の袋(根尖病巣)が出来ていました。
今回はラバーダムという治療中に細菌感染を防止するカバーをして、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)で神経内部が綺麗になっているかを確認してMTAセメントという薬剤を使用し治療を行いました。
レントゲン画像は治療後のレントゲンですが、神経の先まで薬剤が隙間なくきっちりと詰められている事がわかると思います。
治療手順としては
1日目:古い材料を除去、神経内部を清掃・殺菌
2日目:仕上げ、最終的に神経に置き換わる材料を詰める
の2日で治療は終了しました。
神経の治療を行なってから2、3日は痛みが出る場合がありますが、何度消毒しても痛みがひかない事は根にヒビが入っているなどがなければ基本的はありません。

MTAセメントは、近年では世界的に見ても根管治療の第一選択となっていますが、日本の保険治療では認められていません。

MTAセメントを使用する利点としては
・封鎖性に優れる
神経の内部に細菌が侵入することで腫れや痛みが出ますが、MTAセメントは内部で膨張し、隙間なく詰めれるので細菌の侵入を防止出来ます。
・抗菌作用が強い
MTAセメントは強アルカリの薬剤のため、殺菌作用がかなり強く内部で細菌の増殖を抑制してくれます。
・硬化すると硬くなる
MTAセメントは硬化すると硬くなる性質を持っているので、強度が高くなります。
・生体適合性がよい
MTAセメントは生体適合性がよいので、炎症症状を起こす事なく治癒を促進してくれます。
・親水性が高い
歯の内部の象牙質には多くの水分が含まれており、従来の薬剤ではこの水分で薬剤の劣化が起きてきます。一方、MTAセメントは親水性が高いので水分による劣化が少なく、長期にわたって性質を維持出来ます。

などがあります。

日本では保険で神経の治療を行なった約50〜70%が上手くいかず、再度痛みや腫れが出て再治療や抜歯になっています。
また、治療中も痛みが出やすく何度通院して消毒してもなかなか治らないなどの結果となることが多くあります。

当院では海外の成功率に近づけ、『世界基準の治療』を来院いただいた患者様に提供するため、海外では常識になっているCTやラバーダム、マイクロスコープ、ニッケルチタンファイルやMTAセメントなどの最新の材料を揃えて治療を行なっています。(これらの材料は基本的には日本の保険治療では認められていません。)

・歯の根の治療を何度しても治らない
・痛みが引かない
・根の先に病巣があり、抜かないと治らないと言われた
・神経の治療をしている歯が時々痛む

このような症状がある方は一度受診されてはいかがでしょうか?

神経の治療に関するページはこちら

院長

松本 憲一
ひめじオリビエ歯科クリニック院長の松本と申します。当院ではインプラント治療、審美セラミック治療、精密根管治療に力を入れており、なるべく患者様に負担が少なく長持ちする治療を心がけています。こちらのブログでは当院で治療を行った治療例を記載させていただいていますので参考にしていただければと思います。
歯のことでお困りの方は気軽に当院にご相談ください。
  • 略歴
    • 国立岡山大学歯科部歯学科卒業
    • 姫路赤十字病院 研修医修了
    • 岡山大学大学院歯薬学総合研究科 博士課程修了
  • 所属学会・資格
    • 日本口腔外科学会 認定医
    • 日本インプラント学会 会員
    • インビザライン 認定医
    • ヨーロッパインプラント学会(EAO) 会員

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